Rule of The Bone

主人公のチャッピーは１４歳。学校は落第しそうで、まともな友達もいない。アルコール依存症の母と継父のケンへの不満を紛らわすためにビールやマリファナに溺れる日々。そのマリファナ欲しさにある日、売れるものは無いかと家を探っていると古い硬貨を大量に発見する。しばらくはそれを売ってマリファナと交換するが、数週間後、ついにケンに見つかってしまう。ケンによる激しい暴力の末にチャッピーは家を出ることを決心する。それから彼はいろいろなところをさまよい、様々な出会いと別れを経験し、考えられない様な成長を遂げていく。

人間味がにじみ出るような本でした。最初はチャッピーに全然共感できなくて、ただ軽蔑していましたが、重大な秘密が明かされた後は本当に本に入り込めることができました。この本は複雑な人の心情を表面だけでなく、深いところまで突き詰めて書いていました。チャッピーの苦悩というのは普通の１４歳の苦悩ではなく、大人でも耐え難いようなものばかりです。正面から問題に向き合い、全力でぶつかっていくチャッピーの姿に力をもらった気がします。